AWSの普及により、多くのエンジニアに最低限のAWSの知識・スキルが求められるようになってきています。
そのため、AWS認定資格を取得する意義がますます大きくなっているように感じられます。
本記事では、そんなAWS資格のうち「AWS認定デベロッパー-アソシエイト」に合格するための対策方法・勉強方法を、自身の合格体験をもとに解説します!
AWS認定デベロッパー-アソシエイト(DVA)試験とは?
AWS認定デベロッパー-アソシエイト試験(以下、DVAと言う)は、AWS認定資格試験のうちの1つです。
AWS認定資格には2024年8月時点でベータ版を含め12種類あります。
AWS認定には、「役割別認定」と「専門知識認定」があります。
さらに「役割別認定」は、基礎・アソシエイト・プロフェッショナルの3つのレベルに分けられます。
DVAは、「役割別認定」の「アソシエイト」レベルの資格です。
AWS認定公式ページでは、DVAの意義を以下のように位置付けています。
AWS のコアサービス、使用、基本的な AWS アーキテクチャのベストプラクティスに関する知識と理解、および AWS を使用したクラウドベースのアプリケーションの開発、デプロイ、およびデバッグの習熟度を示します。
また、受験対象者を以下のいずれかに該当する人としています。
- 少なくとも 1 つの高度なプログラミング言語の深い知識を持つ開発者として勤務した経験
- AWS テクノロジーに関する経験
- オンプレミス IT の経験、オンプレミスとクラウドのマッピングの理解
- 他のクラウドサービスでの業務経験
ただ、受験対象者については以上の項目を満たしていなくても受験することはできますし、十分合格可能です。実際、エンジニアと全く違う職種の知り合いも合格していました。
試験対策方法・勉強方法
ここからは、私が合格した時に行った試験対策を元に具体的な勉強方法を解説します。
ちなみに私がDVA受験対策を始めた時のAWSのスキルレベルは以下くらいでした。
- AWS認定クラウドプラクティショナーを取得済みで、ごくごく基本的なAWSサービスを
名前くらいは知っている - 業務などで本格的にAWSアーキテクチャの構築や運用をした経験はなし。プライベートで少し触ったことあるくらい
つまりは、知っているAWSサービスはごく一部で、実際の使用経験はほとんどないといったところでしょうか。
その1:試験について理解する
資格試験に限らず、進学試験や就職試験でもなんでも、自分の受ける試験についてしっかり理解していないことには始まりません。
試験内容
まず、試験内容を確認しましょう。
DVAの出題分野とその出題比率が公表されています。
分野 | 出題比率 |
---|---|
第1分野:デプロイ | 22% |
第2分野:セキュリティ | 26% |
第3分野:AWS のサービスによる開発 | 30% |
第4分野:リファクタリング | 10% |
第5分野:モニタリングとトラブルシューティング | 12% |
合計 | 100% |
詳しくはこちらの試験ガイドを熟読することをおすすめします。
各分野の具体的内容や試験対象のAWSサービス、さらに試験範囲外のサービスまで記載されています。
その他試験概要
試験の概要は以下の通りです。
- 時間:130分
- 出題数:65問
- 問題形式:多肢選択式、複数回答式の2種類
- 合格基準:72%(試験の結果は100~1,000 のスケールスコアとして算出され、合格スコアは720)
その2:問題を解いてみて現状を知る
試験内容を大体把握したら、まずは問題を解いてみましょう。
実際に解くことで、問題形式や難易度、問題の書き方などの雰囲気を掴むことができます。
また、自分の現状の実力と合格に必要な実力のギャップを知ることができます。
公式ページにあるこのサンプル問題を最初に解いてみることをおすすめします。
解いた結果を元に、自分がどれだけ勉強する必要があるか目処を立てることができます。
ちなみに私は、最初に解いてみて正答率50%弱で、書いてあるサービスもよくわからないものも多く合格にはまだ遠い状態でした。
その3:AWS公式のデジタルトレーニングで概要を学ぶ
自分の現状を知ったら、さっそく試験範囲の学習を始めます。
最初の学習として断然おすすめなのは、AWS公式のデジタルトレーニングです。
これは、AWSが公式で公開しているAWS資格取得のための対策講座です。
DVA用の講座は、なんと日本語実写、無料で受講できます!
内容は、上で紹介した5つの出題分野ごとに講座の章が分かれており、それぞれの分野の概要を学ぶことができます。
各分野の問題における基本的な考え方と、関連するAWSサービスの概要、例題の出題と解説などが含まれます。
この講座を一通り受講することで、試験内容の全体像を把握し、自分の知識が足りていないところを知ることができます。
その4:より詳細にAWSサービスについて学ぶ
概要を知り、試験範囲のサービスを把握したら、それぞれのサービスについてのユースケースや詳細について学びましょう。
試験に出るレベルの内容を網羅的に学習するには、「試験対策参考書を活用する」または「Udemyで試験対策講座を受講する」が間違いないと思います。
試験対策参考書を活用する
試験対策本の活用は、時間やお金を最低限に押さえたい方におすすめの学習方法です。
試験までに時間がない場合など必要最低限の要点だけを押さえて最も効率よく合格したい方は、自分に合った試験対策本を購入して活用すると良いでしょう。
私が見た中で特におすすめの試験対策本は、
です。
おすすめのポイントは、
- 出題分野ごとに関連するAWSサービスの詳細が説明されていること
- 章ごとに演習問題と解説があり、効率よく復習できること
- 前項の演習問題だけでなく総仕上げ問題もあり、演習が充実していること
の2点です。
自分の理解が足りていないAWSサービスを重点的に理解し、演習することで効率的に得点アップにつながります。
Udemyで試験対策講座を受講する
UdemyにはAWS認定資格試験用の対策講座が豊富に存在します。
もちろんDVA用の対策講座も複数あります。
個人的に、Udemyの対策講座の受講することを、試験までの時間にある程度余裕がある場合はおすすめします。
対策本を読む方法に比べ、以下の点で優れていると感じるためです。
- 映像で観れるので、頭に入りやすい
- 実際のAWS画面をハンズオンで映しながら解説してくれるので、各サービスの活用方法のイメージが湧きやすく実務にも応用しやすい
講座の中では、合格した際に私が実際に受講したUltimate AWS Certified Developer Associate 2023 NEW DVA-C02が本当におすすめです。
こちらの講座を受講することで、DVA試験に必要な知識を完全に網羅することができます。
その5:問題を解きまくる
試験範囲のサービスについて一通り学習したら、ひたすらに問題を解きましょう!
問題を何回も解くことで、どの分野のどのような問題が多く出題されるのかが見えてきます。
それに応じて自分の苦手な分野に気づき、また対策本を読んだり講座を受講したりすると、どんどん穴がなくなっていきます。
しかし、残念ながら、ソリューションアーキテクト試験と比較して、DVA試験用の問題集は圧倒的に少ないです。
その中でも、やはり書籍かUdemy講座で問題集を解くのが良いと思います。
また、AWS公式の練習問題もあるので、忘れずに取り組みましょう。
問題集参考書を活用する
DVA用を書籍で対策する場合、問題集のみの書籍はないため、参考書の中の問題を解くしかないようです(2023/3現在)。
その中でもおすすめが、
です。
この対策本は、問題がなんと330題収録されています!つまり試験5回分以上の数の問題を解くことができるのです。
解説も非常に詳細に書かれており、とてもおすすめの一冊です。
Udemyの模擬試験問題集を活用する
UdemyにはDVA用の模擬試験問題集も存在します。
私は、AWS 認定デベロッパー アソシエイト模擬試験問題集(5回分325問)を購入して取り組みました。
なんと2000円程度で5回分の模擬試験ができるのです。
また書籍と違い、本番同様のシステムで受験できるというのも大きなメリットになります。
公式の練習問題を活用する
最後のチェックとして公式の練習問題を解きます。
DVAのトレーニングページからAWS Certified Developer – Associate 公式練習問題集を選択し、問題を解きます。
これまでは有料でしたが、今では(知らぬ間に)無料で取り組めるようになっているので、やらない手はないです。
その6:解いた問題を何度も復習して身につける
問題を解きまくる目的は、自分がわかっていない内容を炙り出すためです。
ですので、解くだけで満足してそのままにしていては、何も意味がありません。
特に間違った問題は必ず何度も復習して身につけましょう。
私は、間違えた問題と解説、その内容に関わる資料(AWSの公式資料など)から抜粋した説明をまとめてメモし、時間のあるときに何度も確認して覚えるようにしていました。
一度見たことは確実に身につけるように、問題は最低2回、間違えた問題は3回は解くことがおすすめです。
まとめ
ここで紹介した対策方法を実践することで、私も一発で無事合格することができました。
そして、合格して資格を得ることだけがメリットではありません。
実際にAWSアーキテクチャを考える際、
ベストな設計をするにはどのようなことを考慮に入れるのか、それを実現するにはサービスをどう組み合わせるのが良いのか
という実践的な知識を、この試験勉強を通して身につけることができたと実感しています。
AWSに少しでも関わっている、これから関わる予定のみなさんは、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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